「日本語の作文技術」
最近、OB訪問に来た学生のエントリーシートを添削している際、その学生が書く文章における読点の打ち方に違和感を覚えた。
自分自身は学生時代に「日本語の作文技術」を一読し、その原則に従っているつもりでいた。しかし、その中身もずいぶん忘れてきてしまっていたことに気が付いたので、久しぶりに本書を再読して句読点の打ち方の原則を復習することとした。
備忘のため、以下に重要な原則を整理しておく。
本書では、
重要でないテンはうつべきでないともいえるわけであり、これは原則といってよいほど注意すべきことがらであろう。
として、不要な読点の使用を極力避けるように勧めている。文体としてあえて読点を多くうつ作家などもいて、それ自体を否定するわけではないものの、一般の読者が明確な文章を目指すうえでは、必要な読点のみをうつことで文章の構造をわかりやすくすることを目指すべきとしている。
著者が考える読点を打つべき箇所の二大原則と一つの例外は以下のようにまとめられている。
第一原則 長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界にテンをうつ。
第二原則 原則的語順が逆順の場合にテンをうつ。
右の二大原則のほかに、筆者の考えをテンに託す場合として、思想の最小単位を示す自由なテンがある。
このほか筆者は、
①並列を示す読点の代わりにナカテン(・)を、
②外国人の名前などを区切る読点の代わりに二重ハイフン(=)を、
用いることで、読点の意味合いを明確化させることを勧めている。
自分自身、何の気なしに読点をうってしまうことが多いものの、改めて本書の内容を復習してみると、本書の原則に従って読点をうつことを心掛けることで明らかに文章の可読性を高めることができるように感じた。地味な本だがやはりとても有用なので、文章が苦手な後輩や学生にはぜひ薦めたいところ。
...読点のうちかたに関するブログ記事を書くと、自分自身の読点の打ち方が正しいか気になってしまって仕方がない。。